3月6日、甲子園で行われたオープン戦は、【阪神3―1楽天】で阪神が勝利しました。3連戦の最後に意地を見せた勝利。目立ったのは、期待の新人と不屈のベテランでした。それでは、この試合を振り返っていきたいと思います。
桐敷投手、開幕ローテ入りに大きく前進
阪神は、ドラフト3位ルーキーの桐敷拓馬投手が先発。4回を投げ、打者14人に対して被安打1、四球1、奪三振3、失点0という快投を披露しました。初回にいきなり楽天・西川遥輝選手に四球を出したときは少し心配しましたが、そこは開幕ローテ争いに名を連ねる選手。新人とは思えない強心臓で楽天打線をほぼ完璧に封じ込みました。最速144kmのストレートを軸に、スライダー、ツーシーム、時折フォークも織り交ぜ、丁寧にコーナーに投げ込んでいるのが印象的でしたね。関甲新学生リーグ史上初の完全試合を達成した選手という触れ込みでしたが、その片鱗が垣間見えたのではないでしょうか。今年も良い新人選手が取れたみたいで嬉しい限り。あまり感情を表に出さない感じも好みです。このタイプの投手で怖いケースは、コーナーを狙いすぎての四球連発。露呈もしていない課題まで気にしてどうする!とも思いますが、ローテで回ることを想定してメンタル調整を先輩方に学んでほしいですね。
湯浅投手と石井投手がピシャリ
今日も中継ぎ投手が3人登板しました。1番手は浜地真澄投手。3イニングを投げて失点1ですが、内容は十分だったと感じました。暴投だけもったいなかったですね。無四球も首脳陣が安心して任せられるプラス要素のはずなので、浜地投手は開幕1軍へ大きく前進したのではないでしょうか。ただ、他の中継ぎ候補も連日好投を続けているので、最後まで気を抜かず頑張ってもらいたいです。8回は湯浅京己投手、9回は石井大智投手が登板。石井投手は四球を1つ出しましたが、2人とも打者3人を相手にノーヒットピッチングでした。湯浅投手はこれで2試合連続無失点。キャンプから評判もいいみたいなので、勝ちパターンにも入るサプライズもあるかもしれませんね。石井投手は前回ヤクルト相手に1失点でしたが、今日は上々の結果だったと思います。オーバースローでシンカーを使う珍しいタイプの投手なので、中継ぎにバリエーションを持たせる意味でも頑張ってもらいたいですね。
熊谷選手、江越選手がアピール
大山悠輔選手が2安打、ロハス・ジュニア選手にも長打が出ました。ここからまだまだ調子は上げてくれると思いますが、とりあえずファンは一安心ですね。この日セカンドでスタメン起用だった熊谷敬宥選手も、1打席目にタイムリーヒットを放って結果を出しました。一、三塁のケースで盗塁も決めています。セカンドには糸原健斗選手がいるので、熊谷選手は必死でしょうね。足が速い選手なので、打撃さえ安定すれば十分チャンスはあるはず。今後の試合にも期待しましょう。そして、今年は特にメディアで取り上げられる機会が増えた江越大賀選手。オフにオリックス・杉本裕太郎選手と自主トレしたことが報じられ、キャンプから覚醒の兆しを見せています。この日ヒットを1本放ち、こちらもアピール。走力と守備は一級品なので、打撃が開眼すれば開幕スタメンも十分にありえるかもしれません。でも今の最有力は、この日ホームランを打ったこの人でしょうか。
糸井選手バックスクリーン弾
投のMVPは間違いなく桐敷投手ですが、打のMVPは糸井選手。本人はもう歳のことを言われるのにウンザリしていると思いますが、40歳のベテランがやってくれました。昨年10勝を上げた楽天の瀧中瞭太投手から、バックスクリーンへ2ランホームランを放って、これが決勝点。シーズンに取っておいてほしいくらい完璧な当たりでした。まだ甲子園のバックスクリーンに叩き込めるのか……衝撃的すぎる。衰えを感じさせない活躍、お見事でした。外野手争いはシーズンが始まってからも楽しみですね。
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